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 発達障害を持つ息子との毎日。                                                      息子の成長を願い、望み、時には喜び、時には悲しみ、                                           それでもきっとたくさんの花を咲かせてくれると信じて過ごしている様子です。                                    私の愛すべき娘と息子との日々をご紹介します。(^∇^*)♪
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介護福祉士
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 発達障害の息子と共に歩む
母親です。
 毎日を楽しく過ごす事を
目標に頑張っています。^^
 それでもやっぱり楽しい
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 時々グチもこぼしますが、
宜しくお願い致します。
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 最期の日 
 仕事でとある病院の前を通る時、
お見舞いに寄ろうかどうしようかと悩みます。

 何度か書かせて頂いている、前の派遣先で知り合った
ご利用者様が癌の末期でご入院されている病院です。

 偶然にも今度の施設に行く途中にご入院されている病院が
あり、今まで何度かお見舞いに寄ったのですが、寄る度に
悪化していくお姿を見るのが辛くて、なかなか頻繁に行けないと
いうのが正直な話です。

 しかし昨日は夜勤明けで、病院の前で少し迷った挙句、
お見舞いに寄って来ました。

 1週間ぶりに見るH様は、呼吸器を着け、寝ているのか
それとも昏睡しているのかは解りませんでしたが、苦しそうな
お顔をしていなかったので、起こす事はやめました。

 癌の痛みは相当なものだと聞いています。
それならば、眠っている間は唯一痛みから遠ざかっている
状態ではないでしょうか。
 私はH様のお顔を見て、そしてかすかにお布団から出ている
手に触れました。

 その手は驚くほど冷たく、そしてかなり浮腫んでおられました。
だけど呼吸器からもれて聞こえてくる寝息は確かに今、
H様が生きているんだと感じさせてくれるものでした。

 私は耳元で小さな声で『Hさん、大好きです』『とっても好きですよ』と
言いました。

 H様と一緒に過ごした時間、他愛の無い会話、起きている時間を
一生懸命に生きているそのお姿と、全てを受け入れ、許容する
優しさには本当に感動しました。

 私の名前を覚えて下さり、そして呼んで下さる。
私という人間の手を必要として下さる。
その事に大きな感謝を覚えました。

 H様に感謝の言葉を捧げるとしたら、
『大好きです』という言葉に凝縮されます。

 今年のお正月の書初めで『笑顔』と書かれたH様は、
その文字の通り、毎日を笑顔で過ごされていました。
同じくらいのお年のご利用者様と、お食事の時間にお話をし、
声を上げて笑っているそのお姿は本当に可愛らしい感じが
しました。

 抗癌剤の影響で、髪の毛が無くなってしまった頭に、
いつも赤い模様のお洒落なバンダナをされていました。

 背筋をしゃきっと伸ばし歩く姿はとても病魔に冒されて
いるとは思えないほどでした。

 施設に飾る縫い物をお願いすると、お部屋まで持ち帰り、
夜遅くまで作っていて下さいました。
 『ダメですよ、無理したら。休み、休みやって下さいね』と
私が言うと、『そうね。解っているんだけどついついやっちゃう
のよね~』と、微笑みながら仰っておられました。

 笑顔がとても似合う方でした。

 自分の体より、他のご利用者様の事を気にかける。
そんな思いやりに満ちた方でした。

 『何かやる事はないかしら?時間がもったいないわ』と、
誰よりも時間を大切にし、1秒、1秒を一生懸命に生きて
おられる方でした。


 本当に大好きな大好きな方でした。


 今日のお昼に前の施設のスタッフから1通のメールが
届きました。

 『昨夜、H様がお亡くなりになりました』

 その文面を見て、
何度も何度も読み返して、
それでも実感が湧かず数時間が経ち、
涙が溢れてきたのは2時間が過ぎてからでした

 ご利用者様が亡くなられる度に問いかけます。

 『△△さん、私の介護はどうでしたか?』
 『少しでも△△さんの中に、良い想い出として
残っていますか?』と。。。

 終末期を共に生きる。
老人ホームとはそういう場であり、
たくさんの出会いと別れがあります。

 それでも私はこの仕事を選んでよかったと思います。

 H様にたくさんの感謝とお礼を。
そしてご冥福を心からお祈り申し上げます。
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