某介護業最大手の○ムスンが摘発され、
不正が追求され、会長の方も色々な番組に出演し、
追求の場面が見られます。
私の派遣元も派遣先も大手ですが、○ムスンではありません。
しかし、その内情については同情すべき事情も絡んでいると
私には思えてならないのです。
昨年新たに施行された介護保険法。
これにより、今までのように介護していたのでは
赤字になってしまう状況が発生するのです。
毎年増え続ける介護を必要とする方々。
その状況に対応すべき方法として、今までの介護度を見直し、
介護度を下げるような仕組みとなってしまったのです。
介護度を下げるという事は、ご利用者様が利用できる金額も
下がりますし、施設に入ってくる金額も下がる訳です。
しかし、同じご利用者様の介護度が下がったとしても、
今まで通りの介護の方法と人手は必要です。
介護度が下がったと言ってもそれはあくまで書類の上。
ご利用者様自体の介護度が軽くなるわけではありません。
○ムスンが、水増し請求をしたとして、追い詰められていますが、
果たして私腹を肥やす為にだけに行ったのでしょうか?
介護の世界では、離職は日々当たり前のようになっています。
そして、常にヘルパーが求められている世界です。
本来力仕事の多い、この仕事にこそ男性がたくさん入ってきて
欲しいのですが、現状では若い男性はある程度働くと
職場を去って行ってしまいます。
答えは簡単。お給料が少なく、夜勤などの仕事も多くて
結婚適齢期を迎えると安定した職業を求めて
退職して行ってしまうのです。
私の今の派遣先には男性スタッフはわずか3人。
しかし、女性のご利用者様が多いこの業界では、
男性スタッフが女性のご利用者様と関わる事で、
女性のご利用者様の心が満たされ、
安心される事も多いのです。
若く、希望に満ちて入ってくるヘルパーさん達。
しかし日を追うごとに、疲れが滲み、無口になっていきます。
『好きだから始めた職業』『自分が選んだ道』
それは当たり前なのですが、余りにも人手が足りないのです。
コンビニと同じような時給で気力、体力を維持し、
家庭まで維持して行くのにはやはり限度があります。
私が以前勤めていた施設では850円の時給では
希望者が来ず、時給を900円に上げ、その分休憩時間を
長く取り(休憩時間は時給に含まれない為)
スタッフをパート制にし、雇用保険、社会保険など、
一切の保障を付けない事で出費を抑えてやっていましたが、
やはり介護保険法改正の後、赤字を出してしまったらしいです。
そして、私のようにフルタイムで働きたい人間にとっては、
保険も無い会社では長く働けず、今の派遣元に移りました。
介護の仕事はやりがいのあるお仕事です。
私はこの仕事に誇りを持っています。
しかし、今のままの体制ではいずれ破綻をきたす日が
来るのではないかと不安を覚えてなりません。
表面上の○ムスンのみの追求ではなく、
その裏に潜む介護保険法にまで光を当てて、
全ての方に介護現場の実情を知って欲しいと思います。
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