昨年、一人の女性の方が入居して来られました。
まだ80歳前で、とても
元気で明るく、気さくな方です。
しかし
末期癌で
余命は数ヶ月との診断が出ています。
ご本人も末期だとはご存知ですし、長く生きれないのも
承知しています。ただ、余命が
数ヶ月だという事までは
知らない様子です。
その方は入居のときに、最小限の身の回りの物を
持って来て、歯磨き粉のチューブを取り出した時に
『これを使い切る位までは生きていられると思うの』と
仰ったそうです。
余命宣告
自分だったらどうなんだろう。。。
そう考える前に、その人に出来るだけ近づきたくない
気持ちがしました。
本当にいい人なんです。そんないい人の事をたくさん
知ってしまえば
別れが辛くなると思ったからです。
今までこの仕事をしてきて、数々の別れはありましたが、
全てが
『寿命』と言えるほどの高齢で、たくさん生きてきて、
心身ともに
寿命を全うした方ばかりでした。
でもその方は、もちろん自分で歩き、自分で食事を摂り、
排泄も自分で、、、と、元気な方と何ら変わりはありません。
ただ、激痛を止めるお薬が処方されており、
その薬は看護師が完全管理。投薬も看護師のみが行っています。
昨日は一緒にカルタをしました。
そして、おやつをスタッフが作り、一番に味見をしてもらい、
『ちょっと硬いわね~』と、アドバイスも頂きました。
道明寺まんじゅうと桜餅の違いも教えて頂きました。(^^;ゞ
今日は少しお疲れのご様子で、居室でお休みになっておられましたが、
食事の時には必ずリビングに出てこられ、そして必ず全てを
召し上がり、きちんと食器を片付けて下さいます。
正直、私はもうその方が
大好きになっています。
明るく元気で、思いやりもあり、今ではリビングの
中心的人物に
なっています。
ご入居してから
1ヶ月が過ぎました。
私は派遣で働いているので、もしかしたらその方と永久の別れを
せず、他の施設に移るかもしれませんが、
今、この時、そして
毎日をその人と一緒に色々な事をしたり、お話をしたりして
過ごせたらな、と思っています。
だってもう本当に大好きになってしまったのですから。
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