プレゼントなら大切にしまって置くことも出来る。
だけど、
『言葉』は自分の記憶の中に刻み込むだけ。
今日はご利用者様からとても嬉しい
『言葉』を頂きました。
その方は以前にも書いた事のある、末期癌で、余命宣告を
受けた方です。
でも、毎日を
笑顔で過ごし、他人を
思いやり、縫い物などの
お手伝いもして下さる方です。
その方にお茶をお持ちした時に
『後で手が空いた時でいいから
腰に湿布を貼って下さらない?』と、言われました。
午後のお茶の時間。それは全ご利用者様にお茶をお出ししたり、
居室まで運んだりと、とても
忙しい時間です。
その方はそんな時間帯を解って下さっており、
『手が空いたら』と
いつもご
配慮して下さるのです。
そしてそれから45分くらい経って、一段落したので、湿布を持って
お部屋を訪ねると
『あなたなら絶対に大丈夫だって思っていたの』と
仰って下さったのです。
『他の人は忘れちゃう人が多いのよ。
でも、あなたはいつも忘れないから安心していたの』と。
あまりにも予想外の褒め言葉を頂き、一瞬
嬉しさで固まってしまった私。
『え・え・え~? そうですか? ありがとうございます』と、照れながら
お礼を言うのが精一杯でした。(;^^A
しかもその方は
『こんな事言っちゃうと、次からプレッシャーに
感じちゃうかしら』と、こちらの心情を察知して下さる頭の回転の
早い方です。
私は思わず笑いながら
『大丈夫ですよ。私も忘れる時は思いっきり
忘れますから』と、答えました。
自分の体の事より
他人を思いやる穏やかな方。
本当に素敵な方です。
でも、この方はどんな思いで
夜を迎え、
朝を迎えるのだろう。。。
一人で過ごす夜はどんなに心細い事だろう・・・と思うと本当に
心が痛みます。
定期的に病院に通っているのですが、前回の診察で、
病状は悪化しているという結果が出ています。
痛みが激しくなる可能性や
吐血の可能性もあるそうです。
私は
今月一杯で他の施設に変わるので、
きっとその方の苦しむ姿は見ないと思います。
本当はそれが望みでもあったのですが、長い間
一緒に
過ごしてきた日々を考えると、
苦しみが増した時にこそ
側に居てあげたかった。。。と、思うようになりました。
介護の世界に
『正解』はありません。
例え同じご利用者様でも、10分前には笑っていたのに、
10分後には怒っていたり、その時の対応のしかたも
スタッフ一人一人で違い、どの方法がいいのかというのは
ありません。
同じ対応の仕方でも落ち着いて下さる日もあれば、
余計に怒ってしまう日もあります。
そんな難しさも介護の世界に少しでも携わると
自分で考え行動し、自分の言葉で笑って下さった時には
大きな喜びになり、
この仕事を選んで良かったと
思えるのだと思います。
今日頂いた嬉しい
『言葉』は、ずっと忘れず、
自分の中の宝物にしたいと思いました。
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