友人と近所のファミレスで遅い昼食を食べていると
窓の外に息子が歩いているのを見かけました。

　私服を着ていたので、学校から帰り、着替えたのでしょう。
手にはコンビニの小さな袋を提げています。　
　その大きさからジュースだな、と思いました。

　私には気づかず、てくてくと家とは反対の方向に
歩いていく息子。
　お友達の家に行くのかな？
　でも、あまり楽しそうには見えません。
　かと言って寂しそうにも見えませんが。。。

　息子の後姿を見送る事１５分。

　ファミレスでお会計をしていると、再び戻ってくる
息子の姿を見かけました。
　手にはやはりコンビニの袋。
　他には何も持っていません。

　お友達の家に行くならゲームの入ったポーチを
腰に下げているはずです。
　何をしているんだろう。。。

　何となく気になる私。

　たまに息子が言う『お散歩』なのでしょうか？
息子はまたまた私に気づかず、今度は横のマンションへと
続く階段を上っていきました。

　もしかしたら偶然お友達に会えるのを待っているのかも。

　そう思いました。

　自分からお友達に電話が出来ない息子。

　何となくその姿に不安を感じました。

　５分後、ファミレスを出て、信号を渡ろうと待っていると、
斜め前に息子の姿。
　同じく信号が変わるのを待っている様子でした。
手にはやっぱりコンビニの袋。

　今度は息子は私に気づきましたが、手を振る私の
姿に照れたように、横を向きました。

　信号が青に変わり息子と合流。

　『どこに行ってきたの～？』とさり気なく聞くと、

　『うん。いつもの散歩だよ』と案の錠の答え。

　『そっか。一緒に帰ろう』そう言い、途中まで一緒に
歩いていたのですが、自宅近くになると、また違うマンションへと
続く道を曲がってしまった息子。

　お友達、いないのかなぁ。。。

　そんな息子の後姿を振り返りながら先に家に帰った私。

　息子はその後５分くらいで戻って来ました。
手にはまだコンビニの袋を持っています。
　中にはやっぱり息子の好きなジュースが１本。

　やっぱりお友達がいないか探していたんだな。
　そして一緒にジュースを飲みたかったんだな。

　そう思いました。

　結局息子は自宅でそのジュースを飲み、
相変わらずの笑顔を見せました。

　私はそんな息子の姿がいじらしく抱きしめたく
なりましたが、そこは我慢、我慢。。。

　頭をなでなでしつつ、『大好きだよ』と一言。
息子は『やめてよ～』と少し照れながら私の手を
振りほどきました。

　息子は今、ちょっと思春期です。

　それでも、ずっとずっと私が息子の事を大好きだと
言う事を、言葉で伝えていきたいと思いました。